ISN03
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構造・規模:
施主:
設計期間:
工期:
キーワード:
2014年
改修
大阪府泉佐野市の田園集落
寺院
敷地面積 1687.37㎡(510.4坪)
延床面積 537.04㎡(162.44坪)
本堂・庫裏:木造 離れ:RC造
地上2階
寺院住職+檀家
2011年6月〜2012年12月
2013年1月〜2014年11月
古い建物・リノベーション・伝統的木造建築・耐震補強
大阪南部、泉佐野市における寺院の大規模修繕工事である。
本堂は1839年(天保十年)に再建された築170年以上の建物であり、長い間地域の信仰の拠り所として大切に受け継がれてきたものである。
しかしながら、度重なる自然災害や、老朽化の影響で、建て替えか、大規模修繕かという判断が迫られる状況となっていた。
そうした中、まずは詳細な建物の調査、診断を社寺専門の工務店の助言も得ながら行い、柱や梁といった主要な木材の傷みは少なく、一部を取り替えればさらに200年は十分にもつという結論がえられた。
その結果選ばれたのは、往時の姿を大切にしながらも次の200年を見越した大規模修繕という選択であった。
そこで目指したのは以下の3点である。
1. 美しい:地域の象徴、信仰の場に相応しいシンボル性
2. 使い易い:多種多様な行事に多くの人々が集う場としての機能性
3. 強い:伝統を受け継ぎ、次の200年に耐えうる堅牢性
そこから具体的に以下の5つの方針を導き、調査と平行しながらの設計作業が進められた。
1. 寺院建築の伝統的意匠とこれからの時代に即した現代的表現が調和したデザイン
2. お寺の日常的管理や行事の運営に適した増改築
3. お年寄りをはじめ皆が利用しやすいバリアフリー改修
4. 地盤、構造部材の調査に基づく耐震補強を中心とした構造強度の向上
5. 伝統的建材など耐久性が高い材料の使用と信頼性が高い工法の採用
工期は1年半以上に及び、特に柱や梁のゆがみを修整する過程では、社寺建築特有の精妙な調整を何度も繰り返し、美しく甦った本堂は、次の世代へ引き継がれるべく、新たな歴史を刻み始めている。
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