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2010年 (第1期:食堂改修)

2014年(第2期:住宅部改修)

改修 ・インテリア・BLD

大阪府泉佐野市の田園集落

住宅

敷地面積 2300㎡(695.7坪)

延床面積 750㎡(226.86坪)

木造、一部RC造、地上2階

60代夫婦とその息子世帯

2010年3月〜10月(第1期:食堂改修)2011年6月〜2013年10月(第2期:住宅部改修)

2010年11月〜12月(第1期:食堂改修)、2013年11月〜7月(第2期:住宅部改修)

古い建物・リノベーション・伝統的民家・廊下・中庭

大阪南部、泉佐野市におけるBulding Life Deign。

築約100年の母屋を中心に、時代を経て増改築されてきた蔵や離れ、食堂、息子世帯の住宅などが廊下を介して接続された典型的な地方地主のお屋敷を今後の世代に引き継ぐ建物として暮らしながら随時整備していくBLDプロジェクトである。

第1期として設備の更新時期を迎えていた食堂の改修を行った。RC造の切り妻の建物が持つ本来の空間的特徴を引き出すため、天井を屋根形状に合わせて高くとり、アイランドキッチンを配置して3世代が同時に集まれるよう大きな空間とし、家の核とすることを目指した。

第2期は、旧来のプレファブで増築されていた住宅部分をまるごと改修する形で息子世帯(5人家族)の住居スペースを生み出した。施主との議論の中で、各世代の建物を“繋ぐ家”というコンセプトがうまれ、繋ぐ仕掛けとして象徴的に廊下を取り込んだ住宅となった。

母屋がまさにそうであるが、襖や障子で仕切られた田の字プランの部屋を縁側としての廊下が取り囲む伝統的な民家の間取りを、現代の家族の持つ距離感にあわせて再解釈している。

具体的には、家の中心に大黒柱のような象徴的存在として中庭を配置し、そこに接続された吹き抜けが、田の字プランにおけるふすまの替わりとして適度な距離感を維持しながらプライベートなスペースである寝室を接続している。

この現代的な田の字プランとでもいうべきプライベートスペースが2Fに持ち上げられ、1Fには居間やライブラリー、半露天のお風呂といった共有スペースが配置されている。

縁側のように外周を囲む廊下を巡る中で、窓からは母屋、離れ、蔵といった各年代の建物や庭が見え隠れし、日々の生活の中で家が刻んできた歴史を感じることのできる空間となっている。

Bulding Life Deignとは

既存の建物について、老朽化の進行度や耐震性能の診断と社会状況に対応した活用方法の検討を行い、第三者の立場で建物所有者が選びうる選択肢や判断材料を提示し、建物の維持管理を含めた長期的な視点で総合的に建物の可能性をデザインすること。

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